車検が不合格になる理由として、構造や寸法の不適合、ガラスの透過率不足、ライトの不具合、機能部品の故障など、色々な原因があります。
そこで車検で不合格になった場合は、車検合格のために対処する必要があります。
この記事では、車検が通らない主な原因と対処法を解説します。
車検に通らず困ることが無いようこの記事を参考にしてみてください。
車検に通らない主な原因
車両の構造
まず、自動車の構造が法令で定められた基準を満たしていないと、車検が通りません。
改造などで構造を変更している場合は、正規の状態に戻す必要があります。
違法改造が見つかった場合は早急に修正しなければなりません。
- ✅ 車両総重量が規定値を超えている
- ✅ 違法改造によるフレームの変形
構造変更が大きい場合は、別途の申請が必要です。
不備の程度によっては専門業者への依頼が必要となる場合があります。
車両の寸法
全長や全幅、全高などの寸法が法令の基準を逸脱すると不合格になります。
車高を極端に下げている場合は、最低地上高9cmを下回っていないか確認してください。
- ✅ 車高が地面から9cm未満
- ✅ 全長・全幅・全高が許容範囲外
ローダウンや大幅なカスタムをしている場合は、事前に法定サイズを再チェックする必要があります。
ローダウンのほかに、タイヤを八の字に傾けている場合なども保安基準を満たさないと判断されます。
ガラスの可視光透過率
フロントガラスや運転席側の窓は、可視光透過率70%以上を満たす必要があります。
透過率を下回るフィルムを貼っている場合は剥がすか貼り替えてください。
- ✅ スモークフィルムが基準を下回っている
- ✅ フロントガラスの劣化やキズ
事前に透過率を測定しておくことが大切です。交換や剥がし作業に時間がかかる場合もあるため、余裕をもって準備してください。
フロントガラスのフィルムも、ものによっては保安基準を満たす種類も存在はしますがガラスに貼った後の経年劣化などでも保安基準から外れてしまうことも考えられます。
フィルムは後席側のガラスのみにして、フロントガラスには貼らないことを強くお勧めいたします。
カーテンの設置
夏の暑さ対策に運転席、助手席の窓ガラスにカーテンを取り付けている人がいますが、これも車検不合格となります。
フロントガラス、運転席、助手席のガラスには取り付けてよいものが法律で定められています。
カーテンはその中に含まれていないため取り付けてしまうと違法になり保安基準を満たさないと判断されてしまいます。
工夫によっては保安基準を満たしたままカーテンを取り付けることも可能ですが、かなり条件が厳しいです。前方の3面にはカーテンを取り付けないのが間違いありません。
ライトの不具合
ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカーなどは規定の光量と色をクリアしていなければなりません。
光量が不足しているライトや色合いが基準を外れているランプは交換が必要です。
- ✅ ヘッドライトの経年劣化
- ✅ LEDやHIDの不適合品の使用
カバーのくもりやひび割れも不合格の原因になります。
定期的に点灯確認をして早めに対処しましょう。
ウィンカーの不具合
既定の色、点灯速度などの基準がウィンカーには定められています。
そこから外れた場合は車検不合格となります。
ウィンカーの電球切れ(玉切れ)などで正常にウィンカーが点灯しない場合も不合格となります。
よくあるのが流れるウィンカーに後から交換をしたパターン。
ウィンカーの点灯パターンが保安基準から外れており車検不合格となるものです。
後から社外品のライトに交換をした場合は、そういった部分も頭に入れて事前に整備工場に確認をしてもらうとよいでしょう。
タイヤの摩耗
過度に摩耗したタイヤはグリップ力が低下するため、不合格と判定されます。残り溝が1.6mm未満のタイヤは車検不合格となります。
他にも
- ✅ タイヤの溝が大きくすり減っている
- ✅ タイヤの一部分が大きくすり減っている(偏摩耗)
このような状態でも車検不合格となる可能性があります。
車検の保安基準は1.6mm以上ですが、タイヤ交換を検討する目安は4mmを下回ったタイミングです。
摩耗を軽視すると安全性が大きく損なわれます。車検前に早めのチェックをおすすめします。
タイヤの損傷
タイヤのひび割れや損傷も不合格の要因です。亀裂や異常摩耗が見られる場合は交換を検討してください。
- ✅ サイドウォールの割れや膨らみ
- ✅ 釘や異物が刺さっている状態
空気圧管理や定期点検によって損傷リスクを減らすことが重要です。
機能不良の原因
車検では安全性を確保するため、車両の機能面も厳しくチェックします。
不具合が見つかれば修理や部品交換が必要になります。
オイル漏れ
エンジンやトランスミッションなどからのオイル漏れは重大なトラブルに直結する可能性があります。
オイルがにじんでいる程度でも、漏れが進行している場合は不合格になるリスクが高いです。
- ✅ オイルパンやガスケットの劣化
- ✅ シール類の破損
パッキンやガスケットを交換し、エンジンを保護する必要があります。
マフラーの排気音
排気音が規定以上に大きいと不合格となります。
普通自動車、軽自動車それぞれに規定値が設定されており、それを超えない必要があります。また、マフラーの排気音は、車種や年式によって異なる規定があります。
加速騒音規制により、基準を超える排気音は車検不合格となりますので、注意が必要です。
- ✅ 社外マフラーの基準外品
- ✅ マフラー穴による異音
騒音対策として純正マフラーへ戻すなどの方法があります。
マフラーの取り付け状態
マフラーが地面から9cm以上の高さを確保し、しっかり固定されていることも重要です。
取り付け位置が低すぎたり、ブラケットが破損していると不合格です。
- ✅ ゴムマウントの劣化
- ✅ 車体との接触による振動や異音
固定具の交換や高さ調整が必要になるケースがあります。
クラクションの故障
クラクションが正常に作動しないと警音器としての役割を果たせず、不合格となります。
音量が基準範囲外の場合も修理が必要です。
- ✅ 音が鳴らないようになっている
- ✅ 一定の音色になっていない
こういった場合は保安基準の適合外となってしまいます。
ワイパーの劣化
ワイパーゴムが劣化していると、フロントガラスを正常に拭き取れません。
拭き残しがあると視界不良の原因になり、不合格につながる上に、事故の発生率を挙げてしまいます。
そのため交換が推奨されます。
- ✅ ゴムの硬化やヒビ
- ✅ ゴムが切れるなどの破損
- ✅ ワイパーブレードの変形
雨の日の安全走行に直結する部品なので、こまめな交換が必要です。
ウォッシャー液不足
ウォッシャー液が不足しているとフロントガラスの汚れが落ちにくく、安全な視界を保てません。
噴射ノズルの詰まりにも注意してください。
- ✅ タンクの亀裂やホースの劣化
- ✅ ウォッシャーポンプの故障
定期的にウォッシャー液を補充し、噴射状態を点検することが大切です。
その他の不備
法定基準を満たしていても、書類や手続きに不備があれば車検は受け付けられません。
基本的な必要書類や反則金の支払い状況を事前に確認してください。
必要書類の不足・紛失
車検証や自賠責保険証明書、自動車納税証明書などが揃っていないと車検そのものが受けられません。
紛失した場合は早めに再発行手続きを行ってください。
- ✅ 車検証の再発行手続き
- ✅ 納税証明書の取得手続き
印鑑や免許証など、本人確認に必要なものも忘れないようにしましょう。
特に、車検の直前に自動車税の納税をしたため納税の確認が取れないというケースが非常に多くあります。
車検には納税証明書を必ず持っていきましょう。
反則金の未払い
駐車違反や交通違反による反則金が未納だと、車検は通りません。
未払いがある場合は完納するまで車検に合格できないので、早めの手続きを行ってください。
- ✅ 反則金納付書の確認
- ✅ 反則金完納証明の取得
反則金の支払いは銀行で可能です。
手続き漏れがないよう注意が必要です。
発煙筒の有効期限
有効期限が切れていても車検不合格の理由にはなりませんが、緊急時に使用できない可能性があります。
期限切れでも携行することは可能ですが、劣化により点火しない場合があります。
そして車検場の検査員によっては発煙筒の有効期限を指摘するケースもあるため、新しい発煙筒に交換しておくことが望ましいです。
「車検適合」の部品でも要注意
劣化していたり、取付けの不具合、検査員の判断によっては車検に通らない場合もあります。
対策として、部品の定期点検や交換、専門家による取り付け確認を推奨します。
車検適合品という言葉を鵜吞みにせず、必ず専門家に確認をしてもらいましょう。
車検に通らなかった後の対応
車検に通らなかった場合でも、原因を特定して適切に対処すれば再度車検に合格する可能性は十分にあります。当日の再検査が可能なケースや、一時的な限定自動車検査証を発行できるケースもあります。
当日中の再検査
軽微な不備であれば、同日中に修理して再検査を受けることができます。追加手数料はかからず、最大3回まで再検査が可能です。
- ✅ ライトバルブの交換
- ✅ 書類の不備修正
- ✅ ウォッシャー液補充
車検場の近隣で簡単な整備ができる店舗を利用すると、短時間で修理できるケースがあります。
期限切れ時の新規手続き
検査有効期限を過ぎてしまった場合は、新規の車検手続きを行わなければなりません。
通常の受検費用や手数料がかかる上、違反金の発生リスクも高まります。
- ✅ レッカー移動による整備工場への搬送
- ✅ 仮ナンバーの取得
できる限り期限内に不合格項目を改善して再検査を通すほうが費用面でも手間の面でも有利です。
まとめ
車検に通らなかったときは、原因を特定し、必要な修理や書類手続きをすみやかに行うことが重要です。
通らなかった後は、当日中の再検査が選択肢になりますが、期限を過ぎると新規手続きが必要になり費用も大きく膨らむ可能性があります。事前の点検と早めの修理対応を心がけることで、車検をスムーズに通過しやすくなるでしょう。
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